新ドライもん・のび太の国士無双伝説
第3話 独立

作:T@S

 

 

空き地にはのび太とスネ夫の二人がいる。

今、この町は異様な空気に包まれている。

ジャイアンの奇妙な行動は全てこれのことだったのだ…。

「ど、どうする…?」

「どうするって言われても…」

戸惑う二人。

その時、スネ夫がとっさに閃いた。

「ドラえもんの道具でジャイアンを止めようよ!それしかないって!」

「でも、ドラえもんは…」

のび太はドラえもんがどうなったのかは知らないが、あの状況では到底無事だったとは思えないと判断した。

「ドラえもんは今はミイちゃんとデートかな…。アハハ…。」

まさかママにやられたかもしれないなんて言えないだろう。

とは言え、何故ママがあそこまで凶暴化したのが未だに理解できない。

やはりこれもジャイアンの異常な行動と繋がっているだろうか。

よくわからない。

そして、そのときであった。

 

ドドドドドド…

「なんか地響きが…」

 

ゴゴゴゴゴゴ

「何か聞こえてくるぞ?まさか…」

 

う゛ううお゛おお゛お゛え゛け゛れ゛ぎぇればはズヮイィヤャアーーーン!!!!!!ぎゅわあばあきゅでゅういちょーーーー!!!!!!!

ホゲーーーーーッ!!!!

 

町中にジャイアンの歌が響き渡った。

バギバギバギボガガガガガガガズドドドドド

グボボゲゲゲゲガギグゲドガガガチャーーーン

地割れは起き、家が崩壊する。

「のび太、大丈夫かぁ!?」

「スネ夫も早く土管の中に避難しようよっ!!」

2人はとっさに土管に隠れ、騒音をシャットアウトした。

ゴゴゴゴゴゴゴ…

あまりの騒音に雷曇が発生した。

そしてその雷曇はたちまち雷を発生させた。

ピカカーーーン

ズドドドーーーン!!!

 

「おい、のび太!今の雷見たか!?」

「見た見た見た、ジャイアンの家の方に落ちたぞ!!」

2人は恐怖心と好奇心を持ちながら剛田雑貨店へ向かった。

しかし、町の様子が完全におかしくなった。

倒壊した家の中から、住んでいた人がいとも簡単に中から出てきて、剛田雑貨店へ走って行っているのだ。

「キャー!!ジャイアン様ぁー!!」

「ジャイアンー!ジャ、ジャァー、ジャアー!!」

「ジャイアンは偉大ナリー!!ジャイアンの他に神なし!!」

「我々の救世主、ジャイアン様がやってきた!!急げ急げ!!」

「ジャイアン様は地球を救う!」

ドドドドドドド

次々と煙を巻き上げて駆けつけていく。

その光景を見たのび太とスネ夫はただ呆然とするしかなかったのである。

さらにはダンプカーが剛田雑貨店へ向かっていく。

野良猫も走る。

町中の至る住人が剛田雑貨店へ集まろうとしている。

ざわ… ざわ…

 

そして集まった。

大衆の見つめる先には雷に打たれて体が燃えているジャイアンの姿があった。

だが、燃えているにも関わらず肌が焼け焦げたり爛れていたりはしていない。

平気なようである。

そんなジャイアンが大音声をあげた。

「集まってくれた諸君!!この腐敗しきった世界を我がジャイアン教が立て直すのだぁぁ!!!そのために諸君らの力を貸してほしい!!!そして俺様はゴーダシッタカジャイアンの元に召されるであろう!!!」

ワッーーーーー!!!!

 

「なお、今夜0時に全世界へ俺様の歌を届けるので集合してほしい。その歌は日本の腐れきった人間どもへの宣戦布告であり、ジャイアン教が世界を立て直すための第1歩となるのだぁ!!!」

バンザーーーーイ!!!!

 

ジャイアンの短い演説が終わった。

剛田雑貨店に集合した人たちは全員死んだ魚のような目をしている。

つまり、ジャイアンによって洗脳されたのだ。

だが、ジャイアンに洗脳されなかった人たちもいる。

それはのび太やスネ夫はもちろんのこと、静香、出木杉、骨川一族、黒いダルマ、そして玉子。

さらに安雄とはる夫も洗脳されなかった。

そしてさらに意外な人物としてミイちゃんも洗脳されることはなかったのだ。

のび太とスネ夫以外の当人の知らないうちにジャイアン教が次々に活動を拡大している。

剛田雑貨店へ行く途中で止まっているのび太とスネ夫がいる。

「のび太、お前はこれからどうするんだよ?」

「とりあえずドラえもんを探しに行くよ。何としてでもリサイタルを止めなきゃいけないんだ。」

「そうだな…。僕はママが心配だから家に帰るよ。」

お互い離れて行動することにしたのである。

「スネ夫…。死ぬなよ。」

「のび太…。生きて会おうな。」

二人はその場から去って行った。

 

一方その頃、黒いダルマと思しき物体は風に吹かれて道を転がりながら動いていた。

そして坂を転がり、向かう先には川があった。

もちろん止まるはずがない。

勢いづいたまま転がる。

ゴロゴロゴロゴロ

 

バシャーーーーーーーーーン

 

黒いダルマは川に落下した途端激しい水飛沫をあげて川底へ沈んでいった。

とは言ってもそんなに深いわけではないけど。

そして黒いダルマは川の流れで動かされている。

その行く先は誰も知らない。

 

 

「このままでは世界が危ない…。僕の計画を実行するときが来たようだ。」

自宅にいる出木杉は窓から外の風景を眺め、何やら怪しげな言葉を発していた。

 

 

 

ジャイアン教による世界侵略がついに始まる…。

 

 

続く

 

戻る