新ドライもん・のび太の国士無双伝説
第5話 決戦前夜
作:T@S
のび太は顔をしかめるしかなかった。
急に発せられたその言葉が意味するものとは何か?
「こ、国士無双拳って…」
玉子の怪しげな拳法もこれに繋がっているのだろうか?
「とにかく、今から修行してもらいます!いいわね!」
「そ、そんなぁ!今はそれどころじゃ…」
「おだまりぃぃぃぃぃ!!!」
玉子はそう叫ぶとどこからともなくどこでもドアを取り出したのだ。
「な、なんでどこでもドアが…っ!」
「たまにはドラちゃんの道具を出さないと読者様から苦情が来そうなのよ!」
玉子は強引にはぐらかす。
そして、のび太の目の前にはいつものピンク色のどこでもドアが映っている。
その扉の向こうにはとてつもなく恐ろしい世界が広がってるに違いない。
と、のび太は悟ったのであった。
「こ、こんなことをやらされるくらいならジャイアンの仲間になった方がマシだああああ!!」
のび太は逃げ出した。
このままではもっと悲惨な目に遭うと確信したからであった。
だが、やはり甘くは無かった。
シュタッ
「な、なにぃ!?」
正面には玉子が立っていた。
「どうして一瞬にして…」
さっきの先生との戦いで一瞬にして現れたように、一瞬にして回り込んだのだ。
「少し乱暴だけど…ムリヤリ送るしかないわねえ…」
そういうとのび太の体を軽々と持ち上げた。
のび太は恐ろしさのあまり抵抗することも出来なかった。
「さあ…修行しに行くのよ…のびちゃん。」
玉子は子供を崖から突き落とす獅子の如くのび太を放り投げた。
「とぅわあああぁぁぁぁ!!!!!!」
ズドドドドドドドドド
家の中であるにも関わらず砂埃が舞う。
放り投げられたのび太はウルトラマンのようなポーズでどこでもドアへ直進してゆく。
「ドラえも〜〜〜〜〜〜ん!!!!!」
ガチャ
バタンッ
ドアは勢いで開き、そして自動的に閉まった。
「頑張ってね、のびちゃん。」
一方、ジャイアン教は戦闘の準備が完全に整った。
そして午前0時を待つだけである。
だが、その前にやっておくべきことがある。
「少しでも日本全国、世界中に広めなくちゃな…」
ジャイアンは信者が運んできたと思われるパソコンをいじり始めた。
カタカタカタカタ…
キーボードを叩く音が響く。
「よし、出来た。こんなことぐらい一人で出来るもん!」
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こうして、ジャイアン教のホームページが全世界に公開された。
公開されて1分もしないうちにそのあまりにも衝撃的な内容に酔いしれる者が続出した。
アクセスするとジャイアンの歌が流れ、ユーザーを酔わせるばかりか、パソコンそのものをジャイアン教一色にするウイルスに感染するようになっているのだ。
感染するとジャイアン教のサイトから抜け出すことは出来なくなり、さらに自動的に世界中のサイトを改竄したり、掲示板を爆撃するスクリプトが発動するのだ。
とあるコンテンツに吐き気を催したかと思われる人間による大量のF5攻撃も行なわれたようだが、ジャイアン教のホームページを支えているジャイアン教パソコン部はそのような攻撃には屈しない。
逆にユーザーを特定し、抹殺リストに追加してしまうのだ。
ジャイアン教のテクノロジーは世界一と言っても過言ではない。
このインターネットでの大騒動に政府も動揺を隠せない。
しかし練馬区が異常事態になっているという情報はまだ入っていないようである。
むしろジャイアン教の信者が入らせないように仕組んでいるのであろうが。
「ど、どう思われます首相…!?」
「……………ほっとけ。」
そして、宣戦布告まだ後わずか…
空き地にはジャイアンと信者が集合していた。
ジャイアンをはじめ、信者達は好きなアニメがもうすぐ始まるまでのワクワクしてるような心境なのであろう。
「まだかなまだかなー。」
そんな声があちらこちらからこだまする。
要塞と化した剛田雑貨店は既に攻撃スタンバイ状態であった。
東京全土を攻撃できるほどの武装が整っているのだ…!
そして日本をはじめ、世界各地で異常な人間が暴れているとのニュースが報じられている。
それは今もなお拡大中である。
なにしろ、インターネットはもはやジャイアン教そのものと化してしまった。
マ○クロソフトのサイトも改竄され、W○ndowsが「Gians」に書き換えられてしまった。
世界征服はもう、目の前だ。
「う、うーん…。ん?ここは…ッ!?」
おなじみの台詞を発したのはのび太である。
辺りを見回してみた。
後ろには広大な海が広がっていた。
とても綺麗な青色であった。
自分が立っている場所を確認してみた。
砂浜であった。
前方には怪しげな森林がある。
「なんか…見たことあるような…。」
のび太はひたすら砂浜を歩いた。
しばらくすると…
「い、家だ!」
家、というか小屋を発見した。
しかも電気がついているではないか。
「あのぅ…すみませーん!」
のび太はドアの前で叫んだ。
しかし返事がない。
「誰もいないのかしら…。」
立ち去ろうと思ったそのときであった。
どういうわけか勝手にドアが開き始めた。
ギギギギギギ…
ドアが完全に開いた。
だが
ピカアアアアアアアン
まばゆい輝きを放つ閃光が飛び込んできた。
その光にのび太は目がくらんだ。
「い、一体なんなんだ!?」
光がやっと治まった。
のび太はおそるおそる目を開けた。
「………………あ、あんたはぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そこには、静香がいた。
「待ってたわよ、のび太さん。」
続く